Advance/NanoLaboを実際に使用している様子を動画でご覧いただけます。約27分間の製品紹介動画はこちら。
01. 構造情報ファイル検索
Materials ProjectおよびPubChemに登録された物質を組成式やSMILESを指定することによりAdvance/NanoLabo上で検索することができます。ここではTiO2の組成式で表される物質を検索しています。組成式を検索窓に入力してエンターを押すと候補の一覧が表示されます。候補一覧の3Dモデルはマウスを用いて視点を変えることができます。
02. インプットファイル作成
Advance/NanoLabo上で検索した物質の候補一覧から計算対象となる物質をダブルクリックすると、計算ジョブのインプットファイルの作成画面が表示されます。計算条件の設定にかかわるすべての操作はAdvance/NanoLaboのGUI上で行うことができます。ここではルチル型のチタニア(TiO2)を選択しSCF計算の設定を行っています。計算エンジンはデフォルトでQuantum ESPRESSO(第一原理計算)に設定されていますが、LAMMPS(分子動力学)に変更することもできます。
03. 構造最低化
構造最適化計算は単位格子中の原子や格子に働く力が十分に小さくなるように構造を緩和させ、エネルギー的に安定な結晶構造を求める計算です。本例の動画では炭化ケイ素(SiC)結晶を計算対象として、構造の検索から構造最適化計算の実行・結果の表示に至る一連のプロセスを紹介しています。
04. 状態密度の表示
状態密度(Density of States; DOS)を計算・解析することができます。状態密度は単位エネルギーあたりの許容される状態数を表し、バンドギャップや電荷移動の評価など電子状態の解析に用いられます。原子種ごとの状態密度を表示することも可能です。本例では炭化ケイ素(SiC)結晶中のSi原子の状態密度とC原子の状態密度を分けて表示しています。
05. バンド構造の表示
固体材料の電子状態を解析する際に、状態密度の解析と並んで重要となるのがバンド構造の解析です。バンド図はブリルアンゾーン内の対称性のよい点(例: Γ点、X点)に対応するエネルギー固有値を取り出してプロットしたものです。本例では炭化ケイ素(SiC)結晶のバンド構造を計算しています。
06. 分子動力学計算
Advance/NanoLaboは構造最適化計算だけでなく第一原理分子動力学計算(FPMD)にも対応しています。本例では硝酸カリウム(KNO3)結晶の773Kにおける動力学シミュレーションを行っています。
07. 超格子モデル作成
ユニットセルのモデルから簡単に超格子(スーパーセル)モデルを作成することができます。本例ではジルコニア(ZrO2)のユニットセルを等方的に3倍にスケールした超格子モデルを作成しています。
08. スラブ系モデル作成
ミラー指数や真空層の厚さなどを指定することでユニットセルからスラブモデルを作成することができます。作成したスラブモデルは表面や界面のモデルとして計算に用いることができます。本例ではジルコニア(ZrO2)の(111)表面のスラブモデルを作成しています。
09. 原子モデルのデザイン変更
結晶ビューアの表示デザインをデフォルトの設定から変更することも可能です。本例では原子モデルの変更(Ball&Stickモデル→Stickモデル)と背景色の変更(灰色→水色)を行っています。また原子種ごとの色を変更したり、凡例や座標軸を非表示にしたりすることもできます。
10. フォノン計算
Advance/NanoLaboはフォノン(格子振動)の計算に対応しています。q点を指定して振動モードを計算・可視化することができます。本例では孤立系のメタノール(CH3OH)の振動モードと赤外スペクトルを計算しています。
11. 表面への小分子吸着
Advance/NanoLaboでは、吸着子・吸着サイト・被覆率などを指定するだけで、小分子が表面に吸着した計算モデルを容易に作成することができます。本例では白金表面に酸素原子が吸着したモデルの作成を行っています。
12. 溶媒分子充填
Advance/NanoLaboにはモデルの空隙に分子を充填する機能があり、本機能を用いることで陽溶媒モデルを作成することができます。本例では塩化ナトリウム(NaCl)のスラブモデルに水分子とエタノール分子を充填しています。
13. LAMMPSの計算実行
Advance/NanoLaboではLAMMPSをソルバーとして用いた古典分子動力学(古典MD)計算にも対応しています。Advance/NanoLaboが提供する豊富なモデリング機能は、古典MDの計算モデル作成にも活用いただけます。
本例ではアルミニウム(Al)単結晶のMDシミュレーションを行っています。計算のスキームとして、はじめに構造最適化をし、1Kから3000Kまで温度を上昇させた後、逆に3000Kから1Kまで温度を低下させています。このように異なる計算スキームを連続して適用することができます。統計的アンサンブルにはNVTアンサンブルを採用しています。
14. 界面ビルダー
Advance/NanoLaboにはバルク構造から固体―固体界面を簡単に作成するモデリング機能が搭載されています。本例ではαアルミナ(001)面とフッ化リチウム(111)面の固体/固体界面を作成しています。